「整理中に目的を見失ってしまい、困っている……」と日常の片付けに対して疑問を持っている人は多いかもしれません。
今回は、整理の目標をどのように立て、それをどのように達成していくかをお話しします。
問題をはっきりさせる
現状に行き詰まりを感じていて、未来に対する明確なビジョンが持てない時でも、最初に行動しようと思った時には、強い理由があったはずです。
まずは、家のことだけに限らず、紙やデジタルノートに、自分が直面している問題を具体的に書き出してみることから始めてみましょう。
例えば、
– 自宅に関する不満
– 空間の狭さ
– 家事の負担
– 手間がかかる作業
– よく物が見つからない
– 所有物が多すぎる
– 頻繁に起きる喧嘩
– 常に抱える気苦労
– 他人を羨んでしまう自分に対する嫌悪感
– 自己嫌悪
– 逃げ出したくなる気持ち
– 居心地の悪さ
– 努力が認められない時の空疎な褒め言葉 など……
目標を明確に設定する
問題の背後には、実現したい目標が隠れています。
例えば、「やることがたくさんあって重荷に感じる」という問題を見てみましょう。
「家事や育児、仕事の責任が多く、負担になっている」
「家事に費やす時間が長い」
「配偶者からのサポートが足りない」
これを深く掘り下げると、生活環境を整えることで問題を解決できるかもしれません。
「やることが多くて負担になる」状態から、「必要なものがすぐに手に取れ、サポートを容易に得られる家庭環境を作る」という目標に変えてみましょう。
このプロセスを進めることで、問題解決に向けた具体的な目標へと変換してみてください。
例)すぐに欲しいものが見つかる環境、家族みんなで楽しめる活動ができる環境、木の温もりを感じる住空間
目標の優先順位をつける
目指すべき目標が多岐にわたる場合は、一度に全てを達成しようとすると、時間やエネルギーが足りなくなります。そのため、目標の優先順位を設定することが重要です。
例)①すぐに欲しいものが見つかる環境
②家族全員で一緒に楽しめる活動ができる環境
③木の温もりを感じられる住空間
最も重要な目標のトップ3を選ぶ
優先順位をつけたら、最も重要な上位3つの目標を選んでください。選ばれたトップ3の目標に対しては、順に取り組んでいくことになります。
優先順位の最も高い目標から取り組む
一か所ずつ、一か月を目処に進める
整理整頓を初めて真剣に行う際は、まず基本的なシステムを作り上げることから始めます。この初期段階は、かなりの時間と努力が必要になります。
整理するべき場所を特定したら、「一か所につき一か月」を目安に進めることをお勧めします。
どこから手をつければいいか迷ったら、以下の2つの方法を試してみてください。
その1 感情的な価値が低い場所からスタートする
子供の衣服や思い出の品、写真など、感情が絡む場所では、物を手放すのが難しくなります。
そうすると、作業が滞りがちになります。
スムーズに進めるために、感情的な価値が低いと感じる場所から始めることが良いでしょう。
例えば、洗面所、浴室、トイレ、玄関、バルコニー、キッチンの棚の一部、冷蔵庫などが考えられます。
その2 個人的な空間からスタートする
実際にやってみると分かるのですが、自分に直接関わる場所から整理を始めると、達成感を得やすいです。「自分への投資を惜しまない」という考え方も、この考えに基づいています。結局、自分自身を大切にすることから始めないと、他人に対しても温かい心遣いを示すことは難しいですから、まずは自分に関連する場所から整理を始めるのが良いでしょう。
注意:配偶者のものは基本的に触らない
配偶者の持ち物を整理したいと思う気持ちも分かりますが、基本的には手を出さない方が良いでしょう。もし配偶者のものを整理しないと目標達成が難しい場合でも、できるだけ範囲を限定し、事前に了解を得るべきです。
完璧を求めず、できる範囲で整理する
初めから全てを完璧に整理し、よく使うものを選んで収納しようとすると、しばしば負担が大きくなりがちです。収納まで手をつける余裕がない時は、整理そのものに集中し、収納は後回しにしても大丈夫だと考えましょう。
整理作業の主な部分は、実際には不要なものを取り除くことです。丁寧に整理すれば、部屋もすっきりし、収納に苦労することも少なくなります。
完璧な整理を目指さず、目標達成に集中する
整理作業自体が目的になってしまうこともありますが、本来の目的は理想の状態を実現することです。この目的を見失わないよう心掛けましょう。
うまくいかないことがあっても、始めた時と現在を比べれば、より快適な空間になっていることがわかります。他人との比較ではなく、「目標に対して現在どこにいるか」を意識することで、焦らずに済みます。
一連の作業を終えたら、次の目標に進む
整理したい箇所が一通り終わったら、次に優先度が高い目標に同じ方法で取り組み、その後、三番目の目標に進みます。三つの目標を達成した時点で、整理はある程度完了しています。その後は、現状での問題を解決するために、必要に応じて整理を続けます。一番目の目標でうまくいかなかった点も、二番目や三番目の目標を通じて改善できることが多いです。焦る必要はありません。
最初の目標を100%達成するのは難しいですが、60%程度達成できれば、それは十分な成功です。
最優先の目標は一年計画で進めるのがおすすめ
日々の生活の中で整理整頓に取り組む際は、最も大切な目標を一年かけて達成しようとする心構えが、無理なく続けられる方法につながります。
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